市立伊丹ミュージアム

EXHIBITIONS

過去の展覧会 2021年度以前(伊丹市立美術館)

須田国太郎 能・狂言デッサン展

2002年4月13日(土)ー5月19日(日)

須田国太郎 能・狂言デッサン展 

巨匠須田国太郎(1891-1961)の能と狂言のデッサン展を開催する。昨年、ご遺族から大阪大学にスケッチブック約120冊に描かれた約5,000点のデッサンが寄贈された。本展はそのなかから100点ほどを選んで展覧する。
 偉大な画家であり、碩学であった須田国太郎は、資料によれば、明治43年、19歳の時に、独学で油絵を描き始めた頃から、金剛流高岡鵜三郎に師事して謡曲を習い、能・狂言に関する造詣も深かったという。
 今回のデッサンは、昭和2年の金剛能楽堂での金剛巌の「熊野」、松本長の「杜若」に始まり、戦後に至るまでほとんど各年の主要な舞台が描き遺されている。当然、京都の能楽堂での金剛巌のものが多いが、須田は大阪、東京へも小まめにでかけており、喜多六平太、野口兼資、梅若万三郎、桜間弓川などの名人はもとより、まだ若手だった観世寿夫、静夫までの演じ、舞う姿態を的確に捉えている。私たちはこの膨大なスケッチによって、須田国太郎の絶妙なデッサンを楽しむのと同時に、昭和の始めから戦後までの能・狂言の実体をたどることができるわけである。今回の展覧でも大阪大学教授天野文雄氏のご指導によって、時代、演目、人を考慮に入れて構成したので、5,000点の中からの100点ではあるが、その真髄は味わっていただけるものと信ずる。やや大振りな桜間弓川の「道成寺」のデッサン20枚で演技の流れを追えるようにするなど、展示の工夫もしている。

展覧会情報
会期 2002年4月13日(土)ー5月19日(日)
会場 伊丹市立美術館
休館日 月曜日(但し祝日開館・翌日休館)
開館時間 10:00〜18:00(入館は17:30まで)
入館料 一般500(400)円/大・高生250(200)円/中・小生100(80)円
*()内は20名以上の団体割引およびチケットぴあ前売料金
*兵庫県内の小中学生はココロンカード、クローバーカード呈示にて無料
*4市1町(伊丹市・川西市・宝塚市・三田市・猪名川町)の高齢者割引有(平日60歳以上、土日祝65歳以上)
主催 伊丹市立美術館、(財)伊丹市文化振興財団、大阪大学
後援 朝日新聞社
助成 財団法人朝日新聞文化財団
関連企画

講演会
「描かれた名手たちー須田国太郎デッサンにみる昭和前期の能・狂言」
2002年4月14日(日)
講師 大阪大学大学院文学研究科教授 天野文雄氏

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